シュナイダーエレクトリック、IoTを活用して保守作業を効率化し、人的ミスを削減するAR(拡張現実)ソリューションを国内で発売

プレスリリース
掲載日:2017/7/4

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エネルギーマネジメントおよびオートメーションのグローバルスペシャリストであるシュナイダーエレクトリックのグループ会社 株式会社デジタル(代表:ジャンフランソワ・マソー、本社:大阪府大阪市)は、拡張現実(AR)技術により生産現場での保守作業を効率化し、人的ミスを削減するソリューション「EcoStruxure Augmented Operator Advisor」(エコストラクチャ オーグメンテッド オペレーター アドバイザー)(以下略称、シュナイダーARアドバイザー) を8月末より日本国内で発売します。

生産現場での保守作業の現状と課題

工場やプラントなどの生産現場では、エンジニアやオペレーターは機器の操作・保守のために膨大なデータの中から必要なテクニカルデータを見つけ出すことに多くの時間を費やしています。また、故障発生時の原因調査においても、保全員の経験やスキルに頼っていることがあり、故障原因の追究に時間がかかったり、次世代への継承の面で課題を抱えています。今後労働人口が減少するなか、人に依存した体質から脱却した体制・システムが求められています。

ARにより保守作業を効率化し、人的ミスを削減

ARは、現実の映像に仮想的な映像や情報を重ね合わせ現実世界を拡張するものです。「シュナイダーARアドバイザー」は、AR技術により、タブレットに映し出されたリアルタイムの映像・データと仮想オブジェクトを設備や機器に重ね合わせ、オペレーターや技術者が関連情報を直ちに利用できるようにした革新的なソリューションです。 現場でユーザーマニュアルや指示書、図面などの数多くのデータに素早くアクセスし情報を迅速に入手することができるため、作業効率が向上し、メンテナンス時間が短縮します。また、設備を停止して点検が必要だった電気キャビネットなどの扉をバーチャルに開けて内部を確認できるため、設備停止時間を削減することができるほか、高電圧の設備に触れず機器の状態を確認できるため、保全員の安全性向上にもつながります。 技術的な訓練をうけていない巡回員や、熟練技術者以外でも、異常の発見や原因の特定、回復のための処置の確認が容易にできます。保守作業のノウハウを標準化することにより、経験や勘にたよらず、人的ミスを削減することができます。

具体的な活用用途は以下のとおりです。

  • 生産現場の機器の確認・操作・連絡: ラベル、プロセス変数、SQLデータベース、さまざまな文書、電気回路図、指示書など現場機器の関連情報にリアルタイムでアクセスできます。異常が発生した機器の特定も容易に行え、熟練した作業員でなくても、直感的に対処が可能です。
     
  • 電気キャビネットや制御盤の保守: 機器を停止してからではないと開けられない制御盤や、電気関連の資格を持った権限保有者ではないと開けられないような電気キャビネットも、バーチャルで扉を開け、状況を確認することができます。設備停止時間を減らせるほか、必要なときにすぐに確認作業が行えるため、作業効率が向上します。
     
  • 屋外の製造現場での情報確認: 実際の外観にデータを追加して表示でき、同対象物の特定や状態の確認が容易に行えます。

 

日本国内での実績

カリモク家具株式会社(取締役社長:加藤正俊、本社:愛知県知多郡)総張工場では、2016年11月に本製品を導入しました。多種多様な装置の保守メンテナンスや制御機器の故障発生時の原因追及のために活用しています。保全員のスキルに頼らない故障原因の検出や、定期点検の作業効率化が可能になり、故障時の設備停止時間が削減されました。

日本での展開

シュナイダーエレクトリックは、日本国内においてもPro-faceブランドの産業用タッチパネル、制御機器などを開発・製造・販売し、生産現場に多くの製品を導入しています。これまでの経験、技術を活用して、大規模なシステムを導入することなく、短納期・低コストで個々のお客様の要件にあったARソリューションを実現します。「シュナイダーARアドバイザー」で、IoTを実現し、現場の業務課題解決に役立つ革新的なソリューションを提供していきます。

お問い合わせ

本件に関しましてご不明な点がございましたら、デジタルお客様センターまでお問い合わせください。



 

このページの情報は、2017年7月現在のものです。内容は予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。