産業用PCのOSとは？Windows・Linux・RTOSのメリット・デメリット

産業用PCは、民生用PCと同じくOSがインストールされています。ただ、民生用PCと違う点が多々あります。それぞれの違いを知っておくことで、自社に合った最適なOSのPCを選べるでしょう。

本記事では、製造現場で用いられることの多い「Windows」「Linux」「RTOS」という3つのOSについて解説します。また、それぞれのメリット・デメリットやPro-faceの産業用PC「PS6000シリーズ」も紹介します。

産業用PCでよく使用されるOSの一つが「Windows」です。Windowsは幅広い産業アプリケーションで使用され、多くの産業用PCで使用されています。産業環境に適したWindowsには、Windows Embedded StandardやWindows 10 IoT Enterpriseが挙げられます。

Windowsは民生用PCの使い勝手を維持しつつ、業界特有のニーズに合わせてカスタマイズできる点が主な特長です。ユーザビリティーに優れており、製造業や医療、交通などさまざまな産業分野で利用されています。

また、Windowsは世界で最も普及しているOSの一つであり、多くの開発者やエンジニアが熟知しているため、アプリケーションの開発やカスタマイズが容易です。さらに、10年間サポート（Windows IoT Enterprise LTSCの場合（1））などサポート期間が長いのもWindowsの特長といえるでしょう。
 

LinuxはオープンソースのUNIX系OSで、カスタマイズ性が高く、安定性とセキュリティが評価されています。組み込みシステムや自動化、ロボティクス、制御システム、サーバーなどさまざまな産業アプリケーションで採用されています。

Linuxはコミュニティーによって開発されており、さまざまなアーキテクチャーに対応している点が主な特長です。カーネルやパッケージを選択でき、特定の産業用途に合わせた最適な構成が可能です。

UbuntuやRed Hat Enterprise Linuxといった、産業用PC向けのLinuxディストリビューションも提供されています。

RTOS（Real-Time Operating System）とは、産業用PCや組み込みシステムで利用されるリアルタイムオペレーティングシステムのことです。RTOSは時間的な要求に厳密で、スピーディーな処理が必要なアプリケーション向けに設計されています。

RTOSはハードリアルタイムとソフトリアルタイムを制御し、優先度やタスクのスケジューリング、中断処理、デバイス制御などを管理します。主に自動車や医療機器、産業制御システム、航空宇宙システム、軍事システムなどに用いられることが多いOSです。

産業用PCのOSは、それぞれにメリット・デメリットがあります。ここではOSごとのメリット・デメリットを詳しく解説します。