産業用PCの価格帯とは?導入する5つのメリットや高くなる理由を解説

産業用PCは幅広い価格帯があります
産業用PCは数万円のものから数百万円のものまで、幅広い価格帯があります。安いからといって粗悪品ではなく、高いからといって性能が良いとは限りません。価格帯によってどのような特長があるのかを把握して、産業用PCを選ぶのが大切です。

本記事では、産業用PCの価格帯について解説します。また、民生用PCより価格が高くなる理由や導入するメリット等も説明します。

 

産業用PCの主な価格帯

産業用PCの主な価格帯

産業用PCには、数万円のものから数百万円以上のものもあります。ここでは主な価格帯を次の3つに分けて紹介します。
 

  • 10万円未満
  • 10万円以上50万円未満
  • 50万円以上


産業用PCとは何かを知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。

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10万円未満

コストをできるだけ抑えたい場合、10万円未満の産業用PCがおすすめです。処理能力やインターフェイス、機能などが制限されてしまう可能性がある一方で、コストを最小限に抑えることができるでしょう。

10万円未満の産業用PCは、基本的には小型なものが多く、大型のものに比べて故障しづらく、ファンレス設計が一般的です。ファンレス設計は粉塵の影響を受けにくいため、長く使用できる傾向があります。

10万円以上50万円未満

10万円以上50万円未満の価格帯になると、選択できるラインアップが増えます。例えば、耐久性や必要なI/Oポート・拡張スロットの数などで産業用PCを選ぶことができるでしょう。

10万円以上50万円未満のものでも民生用PCより寿命が長く、保守性が高いため、長期間にわたる稼働が期待できます。

50万円以上

50万円以上の産業用PCは、高性能な処理能力を提供するため、GPUを複数搭載可能な製品や多コアプロセッサーを備えた製品が一般的です。これらのPCは高度な画像処理やデータ解析、AI(人工知能)を使用した業務などに適しています。堅牢性や信頼性も非常に高く、過酷な環境での運用に耐えられるよう設計されているものがほとんどです。

さらに、多くの入出力ポートや拡張スロット、データを高速で転送するためのインターフェイスを備えており、さまざまな周辺機器やセンサーとの接続が可能です。主に専門的な工場や要求の厳しい業界で使用されます。

産業用PCの価格が民生用PCより高い理由

産業用PCの価格が民生用PCより高い理由

産業用PCは民生用PCより価格が高くなる傾向にあります。ここではその理由を2つ紹介します。
 

  • 部品(部材)の品質
  • 要望に合わせた小ロット生産

部品(部材)の品質

産業用PCの価格が民生用PCより高い理由の一つは、部品や部材の品質にあります。産業用PCは過酷な環境での安定性と信頼性が求められるため、高品質なものでなければなりません。例えば、耐久性のある金属や高温・低温に耐えられる部品、防塵・防水の設計などが必要です。

また、さまざまなテストが必要になることも価格が高くなる原因といえるでしょう。これらの要因から、民生用PCに比べて価格が高くなります。

要望に合わせた小ロット生産

産業用PCは民生用PCと異なり、顧客の要求に合わせて設計されることが多いです。要件に合わせて設計されるため、小生産ロット生産となり、価格が高くなってしまいます。

受注生産で作られることが多いことから、世界情勢の変化等で部材不足に陥り、納品が大きく遅れてしまう場合もあります。

産業用PCを導入するメリット

産業用PCを導入するメリット

産業用PCは民生用PCより高い一方で、導入にはさまざまなメリットがあります。特筆すべきなのは以下の4つです。
 

  • 産業用機器の小型化
  • コストの削減
  • 長期間の安定稼働
  • さまざまな環境下での連続稼働

産業用機器の小型化

産業用PCは工場の省スペース化に対応できます。従来の場合、大型の制御パネルや計測機器が広大なエリアを占有していました。産業用PCを導入することで、このスペースを最小限に抑えることができます。特に組み込み用PCは小型化が重要といえるでしょう。

製造ラインにおいて、大型のコンピューターを小型の産業用PCに置き換えることができれば、生産フロアスペースが節約できます。同じ工場内でより多くの機器を配置できるため、生産性を向上させつつ、施設全体のレイアウトを最適化することが可能です。

コストの削減

産業用PCはコストダウンにも役立ちます。民生用PCより耐久性が高く、供給期間も長いためです。民生用PCの場合、頻繁に交換やアップグレードが必要でした。産業用PCは厳格なテストと高品質な部品を使用して作られているため、過酷な環境に耐えることができます。

長期にわたって使用できるうえに、基本的には頻繁な交換やアップグレードが不要です。例えばWindows 10 IoT Enterprise LTSCの場合、機能更新プログラムが適用されないため、アップデートの手間を省けます(1)

長期間の安定稼働

民生用PCは仕様変更や製造中止などが短期間で行われることがあり、1年~2年で同じPCが購入できなくなることも珍しくありません。一方、産業用PCのサイクルは、一般的に5年程度であり、稀に10年以上のものもあります。

また、産業用PCはメーカーが製品の仕様変更や廃止などを事前に伝えてくれるうえに、必要な部品や代替品の情報を提供してくれることもあります。そのため、一度導入すると安定してシステムを維持できるでしょう。

さまざまな環境下での連続稼働

産業用PCはさまざまな環境下で連続稼働できるように作られています。産業施設や工場内では、温度や湿度、振動、埃、電磁ノイズなど、厳しい環境条件になることも少なくないためです。例えば、本体には水防塵性能を備えたものやファンレス設計、熱対策機能、冗長化機能などが搭載されています。

民生用PCは自宅やオフィスで使うことが前提になっているため、過酷な環境ではすぐに壊れてしまう可能性があります。自社の環境に適したPCを導入することが大切です。

産業用PCならPS6000

PS6000シリーズ

Windowsの産業用PCならPS6000シリーズがおすすめです。さまざまな産業用PCの中でも信頼性と拡張性に優れ、幅広い業界や用途に適しています。

PS6000シリーズの特長を3つ紹介します。
 

  • 業界最高レベルのハイスペックを備え、HMIからエッジまで幅広く活用
  • ボックスとディスプレイを自由にカスタマイズできる組込み出荷サービス
  • 組み立て・検査、修理、サポートなど、国内拠点だからこその安心対応


PS6000シリーズは4コアである第8世代のIntel CPUを搭載している産業用PCです。大量の情報でも高速で表示し、オペレーションの効率化をサポートします。

また、ラインアップが豊富にあるからこそ自由に選択・組み合わせができ、「ボックス単体で使用する」「ディスプレイ付きにする」など幅広い用途で使えるという強みがあります。国内拠点だからこそ、スピーディーなサポートも可能です。

さいごに

大切なのは自社の環境に合った産業用PCを選ぶことです
産業用PCは価格によって性能や特長が異なります。価格が高い産業用PCは高性能であり、より多くの拡張オプションやカスタマイズが可能です。

大切なのは自社の環境に合った産業用PCを選ぶことです。

「どのような産業用PCを選べばよいかわからない」
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参照文献