HMI(ヒューマンマシンインターフェイス)とは?業界別活用方法を交えてわかりやすく解説

HMIは製造業や自動車業界、建設業界などさまざまな業界で活用されています
HMIは製造業や自動車業界、建設業界などさまざまな業界で活用されています。単にタッチパネルを用いて操作が簡単になるだけでなく、生産性の向上やリアルタイムのモニタリング、データの収集や分析などに役立ちます。

ただ、「そもそもHMIってなんのことなのかわからない」「なぜ重要なのかよく知らない」という方も少なくありません。本記事ではHMIとは何かを説明し、業界別の活用例や製造業における活用メリット、主な機器、選定基準などを解説します。

 

HMI(ヒューマンマシンインターフェイス)とは?

HMI(ヒューマンマシンインターフェイス)は、人間が機械を操作したり、機械から情報を入手したりするためのテクノロジーです。
HMI(Human Machine Interface:ヒューマンマシンインターフェイス)は、人間が機械を操作したり、機械から情報を入手したりするためのテクノロジーです。主にタッチパネルやインターフェイスなどの要素を組み合わせて、ユーザーがシステムやプロセス、情報を視覚的に理解できるようにします。

HMIのメリット

HMIにはさまざまなメリットがあり、そのいくつかを紹介します。
 

  • 状況の表示
  • 設定画面等の編集
  • データ分析

状況の表示

HMIは取得したデータから状況をリアルタイムに表示できます。例えば、生産速度やエラーの数、機器の稼働状況などのスピーディーな確認が可能です。生産に関するデータが視覚化されるため、オペレーターはリアルタイムでプロセスの調整を行うことができ、製品の品質保持に役立ちます。

設定画面などの編集

HMIは設定画面の編集が可能です。用途に応じてシステムを調整し、特定の業界やプロセスに合わせて最適化することができます。例えば、ボタンやアイコンの配置を変更したり、データをチャートやグラフで表示したりすることが可能です。

データ分析

HMIはPLCやその他の接続機器によって収集したデータをわかりやすく表示するため、効率的なデータ分析に役立ちます。わかりやすい図で情報を分析できるため、改善すべきポイントや生産の最適化に必要な点を見つけやすくなります。

業界別の活用例

製造業界ではHMIが幅広く活用されており、生産プロセスの効率向上や品質管理、遠隔操作、ダウンタイムの予防などに大きな貢献をしています

HMIはさまざまな業界で活用されています。ここでは次で挙げる6つの業界での活用例とメリットなどを紹介します。
 

  • 製造業界
  • 自動車業界
  • 建設業界
  • 医療業界
  • 運輸業界
  • エンターテイメント業界

製造業界

製造業界ではHMIが幅広く活用されており、生産プロセスの効率向上や品質管理、遠隔操作、ダウンタイムの予防などに大きな貢献をしています。

製造業界におけるメリットは次の通りです。
 

  • 自動化とプロセス制御
  • データの収集と分析
  • 新しい製品の導入やプロセスの最適化
  • 障害や問題の診断
  • リモート監視と遠隔操作


HMIを介して機械の動作を監視し、必要に応じて設定値を変更することが可能です。結果として生産プロセスがリアルタイムで調整され、生産性の向上が期待できます。

また、生産ラインのデータを収集しリアルタイムで可視化することによって、問題の早期発見や異常の警告、品質維持が容易になります。例えば食品メーカーでは、HMIを活用することで生産性や安全性の向上、コスト削減を実現しています(1)。 当社事例としては、サイレックス・テクノロジー社のプロトコルコンバータとPro-faceのHMIを組み合わせることで、既存のプログラムやアーキテクチャーを変更することなくCNC領域のデータを収集。

またCNC以外の機器データもHMIを介してまとめて収集したことで、工作機械と周辺設備のIoT化実現に寄与しました。

自動車業界

自動車業界でもHMIは幅広く使用されています。実際に、自動車用HMIの市場は2021年から2028年にかけて、8.2%(107億1,000 万ドルから186億4,000万ドル)もの成長が予測されています(2)

身近な例としては、RSE(Rear Seat Enternainment)システムがあり、社内で映画やゲームを楽しむことができます(3)。また、HMIは運転体験を向上させ、安全性や快適性を高めるために重要な役割を果たしています。その一つが「インフォテインメントシステム」です。自動車のダッシュボードにHMIを組み込むことで、ナビゲーションや音楽、通信、照明の色や明るさ、温度などの機能を直感的に操作できます。

他にも、次のようなメリットがあります。
 

  • 運転のアシスト
  • 車内照明とエアコン制御
  • 車両の動作データ収集
  • ソフトウェアのアップデート など


画面上に警告を表示することで、衝突回避や駐車支援、クルーズコントロールなどの技術を活用して、速やかにドライバーに情報を伝達します。また、車両の前方などに障害物を検知すると、ドライバーに警告を発しブレーキを自動的に制御する先進安全運転支援(ADAS)もHMIを利用しています(4)

自動車業界でもHMIは幅広く使用されています

建設業界

建設業界でも、HMIが多くの場面で活用されています。例えば、クレーンや掘削機のドライバーがHMI機器を使用して、機械の操作やパフォーマンスのモニタリング、センサーデータの収集を行うことも可能です。また、ビルディング・オートメーション・システム(BAS)もHMIの一種です(5)

建設業界におけるHMIのメリットは次の通りです。
 

  • リアルタイムなデータ表示
  • 遠隔からの監視・制御
  • 自動化や警告システム
  • データの記録と分析
  • 建設プロジェクトに適したカスタマイズ


HMIを使うことでセンサーやカメラからのデータをリアルタイムで表示し、ドライバーや作業者に必要な情報を提供します。また、複数の建設現場を遠隔から監視・制御することも可能です。

自動化や警告システムにより、人為的なミスを減少させるというメリットも期待できるでしょう。さまざまな建設プロジェクトに適したカスタマイズが可能で、作業環境に合わせて調整できます。

医療業界

医療業界ではさまざまな場面でHMIが用いられています。例えば診療や医療装置、病院の情報システムなどです。

医療業界におけるHMIのメリットは次の通りです(6)
 

  • 医療機器の制御
  • 患者のモニタリング
  • 患者のデータ管理・共有 など


HMIがMRIやCTスキャナー、手術用ロボット、呼吸器といった医療機器の操作に使用されることも珍しくありません。医師は直感的なタッチスクリーンを介して装置を制御し、精密な診断や手術を行うことができます。また、病院のICUなどで、HMIを介して患者のバイタルサインやデータ、治療計画などをリアルタイムで確認し、迅速な対応を可能にするという役割もあります。

医療業界ではさまざまな場面でHMIが用いられています。例えば診療や医療装置、病院の情報システムなどです

運輸業界

運輸業界においても、トラックや列車、飛行機、船舶などのさまざまな部分でHMIが活用されています。例えば、飛行機の旅客は、長距離移動中にHMIを使用して音楽や映画、インターネットなどのコンテンツを楽しむことができます。

運輸業界におけるHMIのメリットは次の通りです。
 

  • 操作性の効率化
  • リアルタイムで情報の表示
  • 旅客の快適性向上


HMIを使うことで、運転手やパイロットは直感的に車両を運転できるようになります。運転や操作の手間が省け、体力の消耗を抑えることができるでしょう(7)

また、リアルタイムで車両の位置情報や気象情報、交通情報などにアクセスでき、スケジュールの最適化とリスクの軽減が可能です。さらに乗客は動画やゲームなどを楽しむことができ、快適性の向上にも繋がります。

エンターテイメント業界

エンターテインメント業界でもHMIは重要な役割を果たしています。前述のRSEシステムのほかに、ゲームのコントローラーやタッチパネルスクリーンとしてHMIが組み込まれているゲーム機は少なくありません。画面を直接操作できることから、パソコンなどの操作に慣れていない児童でもすぐにゲームを楽しめます。


エンターテイメント業界におけるHMIのメリットは次の通りです。
 

  • 没入感の向上
  • 操作の簡素化
  • ユーザビリティーの向上
  • 詳細な情報の取得


バーチャルリアリティーや拡張現実など、HMIを使用することでより没入感が増し、五感のすべてを用いてゲームやメタバースの世界を楽しめるようになると予測されています(8)

HMIはユーザビリティーを高めるメリットも期待できるでしょう。エンターテインメントの品質や価値を向上させ、何度でも繰り返して遊びたくなるようになります。

バーチャルリアリティーや拡張現実など、HMIを使用することでより没入感が増し、五感のすべてを用いてゲームやメタバースの世界を楽しめるようになると予測されています

HMIのAIやIoTによる進化

HMIはAIの登場やIoTの普及によって、データの収集や制御、表示にとどまらず、さらなる進化・発展を遂げようとしています
HMIは技術の進歩に伴い、ユーザーはタッチパネル等を通してプロセスのモニタリングやステータス情報の表示、コマンドの送信が可能になり、今ではスマートフォンや車載の音声コマンド、病院での患者モニタリング、タッチスクリーン制御パネルなど、HMIはさまざまな場所で見られるようになっています。

HMIはAIの登場やIoTの普及によって、データの収集や制御、表示にとどまらず、さらなる進化・発展を遂げようとしています。次世代のHMIは機械が人間とコミュニケーションを取るまでに進化するでしょう(9)。例えば、画面をタッチすることなく建物に入ったり、ジェスチャーで指示を出したり、顔認識で制御できたりすることなどが挙げられます(10)

予知保全などにおいても、AIの登場によってHMIの役割は大きく変化する可能性があります。従来のHMIは、オペレーターに警告を伝えるためにライトや音響ブザーなどを使用していました。例えば、燃料切れを示すために赤いライトが点滅したり、エンジン過熱の場合にアラームが鳴ったりしていたのです。

現在のHMIは、アラートの代わりに「冷却液レベル低下:エンジン オーバーヒートの危険性」など具体的な情報を視覚的に表示します。また、診断ツールが備わっているものも多く、「油圧低下」などと表示された場合に圧力グラフや履歴ログを表示したり、簡単な診断チェックを実行したりすることもできます。

今後、テクノロジーが進歩すると、HMIは人間が関わらなくても独自に問題を診断できるようになるかもしれません。例えば、異常を検出すると一連のテストを自動的に実行し、根本となる原因を瞬時に特定できるかもしれません。さらに、高度なアルゴリズムを利用して、気象条件や機械の使用パターン、業界の傾向などの変数を分析し、正確でタイムリーなメンテナンス・保守を提供できるようになる可能性もあります(11)

また自動車業界においても、視覚で自動運転をコントロールしたり運転中に注意散漫となるリスクを調整したりするなど、安心して自動運転を任せられるような機能や完全なる自動運転車の実現が、今後10年で訪れる可能性があるとされています(12)

このように、HMIは今後、大きな進化が期待されています。HMIの導入やアップデートを後回しにすると、最新のHMIを導入した競合他社に比べて、生産スピードや品質面で劣ってしまう可能性があるでしょう。また、上述したような機能が実現されれば、労働時間の削減や手間の簡略化にも繋がります。現在雇用している従業員が最新のHMIを導入している競合他社に移ってしまい、人手不足に陥ってしまうリスクも考えられます。

【関連記事】
IoT(Internet of things)とは?意味や仕組み、IoT機器活用事例を紹介

製造業における活用

従来の製造現場では、オペレーターは機器ごとに確認しなければならないこともありました。HMIを導入すれば、一箇所にいながら工場全体のデータと生産プロセスを監視できます。

製造業では、現場でもたらされるデータ量が増え続けているのに対し、製造現場に関わる人の数は減少しているため、HMIの導入を含むスマートファクトリー化が必要です。

経済産業省によれば、製造業の就業者数は、約20年間で157万人も減少(13)しました。今後も急激な人口減少が予想されている我が国において、効率と生産性の向上は喫緊の課題といえるでしょう。

このような課題の一助となるのがHMIです。HMIは、製造業において前述の通りさまざまな活用メリットがありますが、ここでは次の3つに焦点を当てて紹介します。
 

  • 工場や製造現場のIoT化
  • 生産工程の自動化(ファクトリーオートメーション)
  • オペレーションのリアルタイムな表示

工場や製造現場のIoT化

従来の製造現場では、オペレーターは機器ごとに確認しなければならないこともありました。HMIを導入すれば、一箇所にいながら工場全体のデータと生産プロセスを監視できます。例えば、製品ラインの稼働状況や機器の故障状態、消費電力、品質データなどが一元的に表示され、問題が発生した場合には迅速に対応できます。

さらに、IoTセンサーやデバイスを用いて、収集したデータをHMIにリアルタイムで表示させることも可能です。例えば、温度センサーが検出した機器の過熱をオペレーターがすぐに確認でき、即座に対策を講じることができます。

生産工程の自動化(ファクトリーオートメーション)

HMIは生産工程の自動化(ファクトリーオートメーション)にも役立ちます。人手不足が深刻化する我が国において、自動化は非常に重要な課題です。経済産業省の『2023年版ものづくり白書』においても「重要となる取組」として位置づけられています(14)

HMIを目指すうえで重要なのが、生産ライン上の機器やロボットの制御・連携です。HMIが導入されていないと機器の制御や調整を手動で行う場面も多く、人的なリソースが消費されてしまいます。

HMIは運用システムとオペレーター間のインターフェイスとして機能し、生産ライン上の機器やプロセスをリアルタイムにモニタリングすることが可能です。そのため、現場に人を配置しなくても工場を稼働させることができるでしょう。例えば、製品の搬送を自動で行うロボットアームの動きやセンサー情報をオペレーターが、HMIを通じて遠隔地から監視できます。

オペレーションのリアルタイムな表示

HMIは製造現場におけるオペレーションのリアルタイムな表示が可能です。具体的には、HMIを介して機器やプロセスの情報を表示し、画像、グラフ、データ表示などの視覚的な手段を活用して、オペレーション情報をわかりやすく可視化します。

HMIがない製造現場では、オペレーターが製造ラインの周囲を歩き回り、それぞれの機器を直接監視することも少なくありません。物理的に移動しなければならないため、広い工場だとかなりの時間がかかってしまううえに、他の作業員との情報共有も難しいでしょう。

HMIを導入すれば、各作業の工程や製品の組み立て状況をオペレーターに伝えやすくなります。進行状況や各部品の位置を視覚的に確認できるため、生産ライン全体のプロセスを迅速に理解できます。

【関連記事】
見える化・可視化の違いとは?メリットや具体的な実践方法を紹介

HMIに関連する機器

ここではHMIに関連する機器を3つ紹介します

ここではHMIに関連する機器を3つ紹介します。
 

  • タッチパネル
  • プログラマブル表示器
  • HMIソフトウェア

タッチパネル

タッチパネルとは、画面に直接触れて機械の操作を行う入力装置のことで、スマートフォンやタブレット、ATMなどをイメージすると分かりやすいでしょう。生産現場においても、タッチパネルはさまざまな場面で活躍します。

タッチパネルのメリットは、表示装置と入力装置が一体化しているため、パソコンの操作に不慣れな方でも直感的に操作できるという点です。また、物理的なボタンやスイッチを備え付ける必要なく、工場の省スペース化に繋がります。

タッチパネルにはいくつかの種類があるため、自社に合ったものを選ぶのが大切です。タッチパネルの仕組みや選び方は次の記事で解説しています。

【関連記事】
タッチパネルとは?その仕組みと多様な使い道を分かりやすく解説

プログラマブル表示器

プログラマブル表示器とは、操作スイッチや表示灯を組み合わせた表示デバイスのことです。主に工業用の制御パネルとして使用され、ユーザーがデバイスの設定を直感的にカスタマイズできます。

操作スイッチを介して機器を制御したり、表示灯を使ってステータスや数字などの情報を表示したりすることが可能です。

HMIソフトウェア

HMIソフトウェアとは、HMIの機能を持たせるソフトウェアのことです。さまざまな機器に対して、タッチパネル等のデバイスを通じてプロセスのデータ表示や制御、監視、データ収集などを実行します。

HMIに関連する機器

HMIはさまざまな機器と関連しています。特に関連性が強いのは、SCADAやPLCです。ここではそれぞれを詳しく解説します。

SCADA

SCADA(Supervisory Control and Data Acquisition)は、製造業の生産プロセスや施設の監視・制御を行うためのソフトウェアシステムです。工場内の機器からデータを収集し、操作拠点からデータをリアルタイムで表示・分析・制御します。

製造業だけでなくエネルギー産業や交通、公益事業といった幅広い分野で使用され、プロセスの効率化やトラブルの早期検出、品質管理、リモート監視などに用いられています。HMIを導入すれば、HMIが収集・検出した異常やデータなどの情報をSCADAにて視覚的に表示させることが可能です。

【関連記事】
SCADAとは?DCSやMESなどとの違いを解説!構成要素や事例も

PLC

PLC(Programmable Logic Controller)は、外部の機器を自動でコントロールするための制御装置です。マイクロプロセッサーとデジタル入出力モジュールから構成され、センサーやアクチュエーターと連携して機械を制御します。

HMIはPLCを操作するうえで重要です。オペレーターはHMIを介してプロセスの状態を把握し、必要に応じて制御指令を送ります。このようなHMIとPLCの連携により、プロセスの制御が効率的かつ柔軟に行われ、生産性の向上や工場の自動化などに役立ちます。

HMI導入においての選定基準

HMIにはさまざまなメーカーの商品があります。大切なのは、自社の目的や環境に合ったHMIを選ぶことです。

HMIにはさまざまなメーカーの商品があります。大切なのは、自社の目的や環境に合ったHMIを選ぶことです。

シュナイダーエレクトリックでは、これまで数多くのお客様にHMIを提供してきた経験から、製品選定においては次の3つが特に重要と考えます。
 

  • コネクティビティー
  • 機能・性能
  • サポート

コネクティビティー

コネクティビティーとは、HMIがシステムや機器とどのように通信するか、そしてどれだけ多くのデバイスやプラットフォームと互換性を持つかを意味します。例えば、コネクティビティーが高いと異なるメーカーのSCADAシステムやPLCに対応できます。

また、工場自動化やスマートファクトリー化に必要な遠隔操作の実現には、さまざまなネットワークプロトコルや無線接続などに対応することも大切です。

機能・性能

HMIの機能と性能は、製造業における効率や品質向上に直結することもあります。機能面では、HMIがサポートするプロトコルや通信機能を確認するほか、「PLCやSCADAと連携しやすいかどうか」といった点も重要です。

性能面では、処理速度や応答性、データベース管理、耐環境性能が考慮されます。仕様書などを確認し、自社の環境で運用できるかを見極めましょう。

サポート

サポート体制がどうなっているか、にも着目しましょう。サポートが適切でないと問題発生時に迅速な対応ができず、トラブルの解決が難しくなります。

また、ファームウェアやソフトウェアのアップデートが定期的に提供され、セキュリティーの更新や新機能の追加に対応していることも重要です。選定時にメーカーのサポート体制を詳しく確認し、長期的な運用を考慮しましょう。

Pro-faceのHMIの特長

Pro-faceのHMI/タッチパネル

シュナイダーエレクトリックでは、代表的なHMIブランドのひとつであるPro-faceを提供しており、ここではその特長を3つ紹介します。
 

  • さまざまなOTやITに接続可能
  • 豊富なラインアップ
  • IoTトータルソリューションの提供

さまざまなOTやITに接続可能

Pro-faceのHMIは接続性(コネクティビティー)に優れています。1989年に世界初のプログラマブル表示器(HMI)を開発して依頼、30年以上にわたってHMI機器を提供してきた経験を活かし、PLCやSCADAのみならず、ロボットやインバーターなど製造現場で使われるあらゆるOT(Operational Technology)デバイスとの連携が可能です。

一般的に、製造現場にはさまざまな機器が存在します。機器によってネットワークが異なる場合、接続性に乏しければ、HMIに表示させられる情報が少なくなってしまいかねません。

Pro-faceのHMIは、MESやエッジコンピューター、ERP、上位システムやクラウドといったIT(Information Technology)との統合もスムーズに行えるため、どのような環境においても使いやすく、高いユーザビリティーを発揮できるでしょう。

豊富なラインアップ

Pro-faceのHMIはさまざまな用途に対応する幅広いモデルが揃っています。また、お客様の要望に応じて、少しの変更からフルカスタム要求まで、柔軟に対応可能です。

どのような製品も十分な評価テストを行い、多くの製品でISA/IEC62443に準拠したセキュリティーレベルに厳正に対応しています。

また、全世界で専門的なサポートを提供しているのもPro-faceの特長です。世界中にいるHMIのスペシャリストが製品サポートやリペア、トレーニング、新しい提案といった幅広いサポートを提供しています。

IoTトータルソリューションの提供

製造現場のDX化は現場の稼働データを取得し、ダッシュボードなどで可視化したうえで上位システムにつないで集計・分析していくことが重要です。したがって、HMIだけでなく、産業用コンピューターやソフトウェアの導入も必要です。

シュナイダーエレクトリックは、HMIの導入だけでなく、IoTトータルソリューションを提供しています。HMIを製造現場の中心にする「HMIセントリック」という考えのもと、データの収集や可視化・リモート監視・リモートメンテナンス・分析などを実現することで、お客様DXを強力に支援します。

さいごに

HMIを導入することで必要な情報が可視化され、生産性の向上や工場の自動化、異常検知、ダウンタイムの予防に繋がります。
HMIはデータ量が急増している現代において、スマートファクトリー化を進めるうえで重要なツールの一つです。HMIを導入することで必要な情報が可視化され、生産性の向上や工場の自動化、異常検知、ダウンタイムの予防に繋がります。

ただ、HMIはさまざまな種類があるため、自社に合ったものを選ぶことが大切です。また、DXはHMIの導入だけで完結するものではありません。

「どのようなHMI機器を選べばよいかわからない」
「DXを実現したいけれど、どのようにすればよいのだろうか」

このような不安やお困りごとがある場合、弊社までお気軽にご連絡下さい。
参照文献