Smart Portal(スマートポータル)とは、製造現場にある装置や機器のネットワークとオフィスの生産管理ネットワークを安全につなぐゲートウェイ端末です。
製造現場での操作パネルでは、従来から製造装置や装置を構成する各種デバイス情報を見える化するHMIや、過酷な製造現場でも大容量データを処理できるIPCが使われていました。Pro-faceはHMIやIPCを超えて、製造現場とオフィスをセキュアにつなぎ情報をフル活用できるインターフェイスとして、新たにSmart Portalを提案します。
近年、コンピュータ等の情報通信技術(IT)の発展とその普及によって、製造現場で使われる装置や機器でも情報処理の高度化が実現し、それにともなって生産に関するデータが増大したことによりビックデータが生成されています。さらにスマートフォンやタブレットといった情報端末を使ってどこでも情報にアクセスする利便性や、クラウドによってネットワーク上にデータベースを構築してデータを様々な用途で活用する時代になっています。上位のオフィスネットワークと下位の生産現場ネットワークをセキュアにつなげ、かつ大量データを有効に活用したいニーズに応えるため、Pro-faceはSmart Portal第一弾としてSP5000シリーズを開発しました。
SP5000シリーズは操作パネルの表示器として採用できるインターフェイス端末です。2つのイーサネットポートにより、生産現場とオフィスをセグメント化して安全にネットワークにつなぎます。さらにHMIの信頼性をベースにWindowsアプリケーションに対応するIPCの汎用性を両立したことにより、生産に関するビックデータを安定して処理することができます。
SP5000シリーズは製造現場でのモノのインターネット「IoT(Internet of Things) *1」、さらに今後に広がっていく可能性がある新しいモノづくりの形態、例えば自社工場と他社工場とのネットワーク化や生産と物流とのネットワーク化といった多様なデータの連結によって実現する新しい生産手法、第4次産業革命「Industry(インダストリー)4.0 *2」を促進するキーデバイスになると考えています。
製造現場でデータを活用した効率的な生産現場を実現するには、上位ネットワークのオフィスと下位ネットワークの生産現場をつなぐための大規模なシステムや装置の改修が必要とされ、コストと手間の問題がありました。また近年、産業界においては機器をネットワークにつなぐことでウィルス感染や情報流出等のセキュリティの問題も現れています。SP5000シリーズは、装置の操作パネルとして、装置を構成する各種デバイスにインターネットへのコネクタビリティ(接続性)を実現できるため、専用ゲートウェイや大規模システム導入など設備の刷新が必要ありません。また異なるネットワークをセグメント化して安全につなげることができるためセキュリティの面でも安心して使うことができます。
SP5000シリーズは、製造現場で発生するデータを活用したスマートファクトリーを低コストかつ安心して実現できるインターフェイス端末です。
上位オフィスネットワークと下位生産現場ネットワークを安全に連結
イーサネットポートを2ポート搭載しています。SP5000シリーズをゲートウェイにして、オフィスと工場のネットワークを物理的にセグメント化ができます。そのため製造現場とオフィスでの生産管理サーバーとを安全につなげるゲートウェイサーバーとして使うことができます。さらに制御機器用のネットワーク機器購入にかかる導入コストを削減できます。
タブレットを使ってどこでも生産状況を迅速に確認
製造現場での効率的な生産においては、異常発生時に素早く問題を見つけて対処するダウンタイムの削減が求められています。Windowsアプリを使用できるSP5000シリーズ、弊社産業用コンピュータ、PC/AT互換機(パソコン)にPro-face Remote HMI Serverをインストールすることで、Pro-face Remote HMIを利用可能になります。手元のタブレットやスマートフォンでHMI画面以外に、ExcelやPDFなどのWindowsアプリもモニタリング・操作することができます。
製造装置でもWindowsアプリケーションが安定して動作
従来、装置の操作パネルには安定した動作を目的として専用OSが使われており、Windowsアプリケーションと関連して使うにはデータの再加工が必要とされていました。今回、製造現場の生産データとオフィスでの生産管理データの親和性を高めるため、Windowsアプリケーションが安定動作するシステムを実現しています。そのため普段、パソコンを使用して作成・確認するファイルが、SP5000シリーズ上ならWindowsアプリケーションを加工なしで直接起動して使用できます。 マニュアルPDFやExcelで作成したトラブルシューティングガイドなど、そのまま活かすことができるので大幅な設計工数削減につながります。
*1
Internet of Things (IoT)とは?
Internet of Things (IoT)とは、様々なモノや人がネットワークにつながる仕組みを表す言葉です。産業機器においては、生産現場にある装置や装置を構成する各種デバイスがインターネットにつなることで、オフィスでの生産管理の効率改善やタブレットなどを使ったリモートコントロールなどの新しい用途が期待されています。
*2
インダストリー4.0 (Industry 4.0)とは?
インダストリー4.0 (Industry 4.0)とは、ドイツ政府によって提唱されたIT技術による製造技術革新プロジェクトを表す言葉です。産業機器においては、生産現場での装置や装置を構成する各種デバイス、ネットワークのスマート化を通した第4次産業革命の実現が期待されています。