配線工事の際のご注意

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配線工事の際には、下記についてご注意ください。

オープンコレクタ出力

最近、色々な制御をPLC(Programmable Logic Controller、シーケンサー)で行うことが多くなっていますが、これらのシーケンサーの出力は接点出力だけではなく、トランジスタ出力のものが多くあります。これはリレー接点の代わりをトランジスタにより行った出力で、出力の極性や状態によりオープンコレクタ出力といいます。
オープンコレクタというのは、トランジスタのコレクタ側がオープン(開放端子)になっていることからこう呼ばれている回路です。実際のPLCではオープンといってもトランジスタの保護のための素子が付いていることが多いようです。
トランジスタには電流の流れる方向により、NPN型とPNP型の2種類があり、オープンコレクタ出力にも電流の方向は2種類あります。NPNの場合(図1)は、電流のプラス側とコレクタの間に、PNPの場合(図2)はマイナス側とコレクタの間に負荷(LEDなど)をつなぎます。トランジスタが接点の役目をしている直流専用の無接点出力です。
しかし、実際のPLCではシンク型出力のものがほとんどで、一部にソース型出力を持つものがあリます。音声合成警報器や電子音警報器でオープンコレクタ接続可能のものはシンク型出力の時のみ対応できます。
音声合成警報器や電子音警報器では入力回路は内部で電源供給を行っており、そのマイナス側をPLCなどのCOM端子に接続するようになっていますので、「COM:マイナス」と表示してあります。シンク型のPLCで制御可能ですが、PLCのカタログや取扱説明書には使用例として(図1)のような結線例が書いてあることが多く、負荷(制御される製品)のコモンは外部電源のプラスに接続されています。この場合、負荷を見て「プラスコモン」と呼ばれることがありますが、PLCの出力がシンク型かソース型かを確認する必要があります。
オープンコレクタ出力

漏れ電流による誤動作

リレー接点の場合、OFF だと全く電流は流れませんが、トランジスタの場合、OFF 状態でも僅かに電流が流れます。これを漏れ電流といいます。一般のPLC のオープンコレクタの場合、約0.1mA以下になっており、音声合成警報器や電子音警報器と接続してもまず問題ありません。しかし、SSR(無接点リレー)やサイリスタ出力ではこの漏れ電流は大きく、特に、交流用の場合は数mAも漏れ電流が流れるものがあり、この場合、誤動作の恐れがあります。
つまり出力がON していないのに漏れ電流だけで出力回路に接続されたものが動作してしまうわけです。これらについては使用する前に出力の性能を確認しておくことが必要です。
漏れ電流による誤動作