【記事】データ収集の壁は”思い込み”かも?

データ収集によくある思い込み

寄稿者
Elliot Middleton
AVEVA プロダクトマネージャー
サマリー
リレーショナルデータベースは多くの用途に適していますが、時系列データに対しては最適なソリューションではありません。 データ収集アプリケーションの歴史は長く、そのため、ある種の先入観や根拠のない印象、あるいは「思い込み」が長年にわたって培われてきましたが、それらは実体や証拠がないまま永続しているように見えます。もし、あなたがリレーショナルデータベースの長所と短所をよりよく理解し、製造業向けデータ収集アプリケーションの文脈でこれらの思い込みを明らかにし、挑戦したいのであれば、この記事を読んでください。また、データ収集アプリケーションの基本を理解し、 評価の際に考慮すべき点を発見し、AVEVATM Historianがもたらす価値について期待を適切に設定する助けとなるでしょう。

目次

思い込み1

ストレージはとても安いので、効率は関係ない。

典型的なプロセスが実際にどれだけのデータを生成するのか、 よく理解しておく必要があります。あまり大規模でない5,000タグのヒストリアンですら毎秒データを記録すると、1年で1,570億個の値が生成されます。これを8バイト単位で効率的に保存すると、1年で およそ1テラバイトになります。時系列データに対するSQL Serverのストレージ要件とAVEVA Historianのストレージ要件を比較したテストでは、必要なインデックスを含めるとその差は50:1でした。 ストレージの価格が下がっているとはいえ、年間50テラバイトのデータは大変な量です。また、単にデータ量が多ければいいというものではないことも認識しておいてください。 また、ほとんどのヒストリアンアプリケーションでは、データの保護が必要なため、バックアップやディスクミラーリングのためのストレージ容量も増えます。業界によっては、数年分のデータが必要な規制もあり、ストレージの必要性はさらに高まります。

思い込み2

リレーショナル・データベースは高速だ。

思い込み3

リレーショナルデータベースは、データ収集に最適だ。

思い込み4

SQLはリレーショナルデータベースにしか対応していない。

思い込み5

時系列データはどんなデータベースでも管理できる。

思い込み6

リレーショナルデータベースでも時系列データの管理は問題なくこなせる。

思い込み7

リレーショナルデータベースか専用設計されたデータ収集ソフトウェアしか選択肢がない。

思い込み8

製造業に特化したアプリケーションである必要はない。

思い込み9

リレーショナルデータベースは効果的なデータ収集ソフトウェアではない。

思い込み10

すべてのデータは同じ重要性と有効性を備えている。

思い込み11

リレーショナルデータベースにさえデータを保存すればデータ統合は簡単だ。

思い込み12

リレーショナルデータベースにデータを保存すると、簡単にデータを検索できる。

思い込み13

リレーショナルデータベースは専用のデータ収集ソフトウェアよりも低コストだ。

思い込み14

ヒストリアンが必要なのは大規模なプロセス制御だけである。

詳しくはこちらから

著者

著者について
Elliot Middletonは、産業用ソフトウェアにおいて、主にプロセス・ヒストリアン、ビジネス・システム・インテグレーション、オペレーション・インテリジェンス・アプリケーションで30年以上の経験を持っています。プロダクトマネージャーとして、AVEVA™ Historian、Historian Client、AVEVA™ InsightなどのAVEVAソフトウェア情報ソリューションの方向性の策定を担当しています。顧客、ビジネスパートナー、 AVEVAの開発およびサポートチームと協力しながら、市場の問題を特定し、製品の要件を定義し、機能拡張の優先順位を決定しています。 2001年にAVEVAに入社する前は、AspenTech社およびIndX社で同様の役職に就いていました。 ベイラー大学でコンピューターサイエンスの理学士号を取得しています。